炭鉱の抜け穴

不可解なことの覚書 チラシの裏

お遍路 8

 朝、出発する前に昨日お会いした方から預かったものですと、宿の方から納め札を渡していただきます。錦のお札でした。これは後になるほど随分ありがたいものなのだと知る機会がありました。出発します。良い天気です。田の中の道を歩いていきます。修繕中の神社の見掛け、ため池でしょうか。池の横をいくつか通り山門が見えてきました。14番 常楽寺です。お寺の方でしょうか。信仰心篤く境内に入っていくときに手を合わせてお辞儀をされていました。

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本堂です。あららぎ(いちい)の木です。あららぎ大師は知らなかったのですが、木の上に祀られているそうです。

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大師堂です。

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「流水岩の庭」です。自然の岩が削られて流れのように見えます。境内には無縁塔があり、「まつり人のない霊さまを拝んであげてください」と書いた立札があり拝んできました。四国霊場中ご本尊弥勒菩薩なのはこちらのお寺だけなのだそうです。親子でお参りしている人も多いようでしたが、外国人のカップルのお遍路さんの姿も見かけました。

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山門です。

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近くに奥ノ院がありました。

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通り道に鬼瓦のかわいらしい感じのお堂がありました。先ほどお寺の清掃をされていた方が帰られているのを見かけました。

のどが渇いたので、また飲み物がほしくなり、自動販売機で買ったすぐ後に15番 国分寺に到着しました。昔の官立寺院の一つで 天平13年(741)に聖武天皇の勅命を受けて行基が開いたそうです。今の建物は戦火で焼失し寛保年間に再建されたものです。山門の隣に聖武天皇の名前が大きく書かれていて古代がよみがえります。

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本堂です。今回のお参りでは、お遍路さん用のお経の本を全部読むようになりました。お経をあげていたら咳が出てきてどうしたんだろうと上を見上げたら天井板が一つ外れていて真っ暗な暗闇が口を開けていて、そこからの空気の影響のようでした。なぜその時開いていたのかはわかりませんが、羅生門を彷彿してしまいました。でもそれは一瞬のことで、気持ちのいい境内です。駐車場横に新しく建物を建てる準備をしていたので、こちらの建物も修理個所を点検していたのかもしれません。

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鐘つき堂です。

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 本堂です。納経所のところで、錦札をくださった方とお会いすることができました。近くに庭園もあるようでした。

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やはり瓦がおもしろい形をしていると思って眺めていました。この近くで休憩していた時、何となく飲んでいた飲み物をこぼしました。焼山寺に登るときにも時々したのですが。何か意味があるかといわれると特になく、気休めです。良いお天気でしたが、お参りを終えて出発する頃には曇ってきました。

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山門です。16番 観音寺へ向かいます。13番から17番までは距離が近いので、しばらくしたら到着します。

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大師堂です。

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仏足石です。

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本堂です。雨が降ってきたのでしばらく休憩しました。暑かったので少し涼しくなりました。

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山門です。民家の間を通っていきます。お昼にしようと思っていたらうどん屋さんの看板が見えてきたので入りました。お店で食べ終わって壁の上のほうに、見かけたことのある絵が飾られているのに気が付きました。ここまで来るときに時々観音様のような顔の書かれたシールが張られていてなんだろうと思っていたので、お店の方に伺うと伊勢神宮の神職に関わりのある方でお遍路をされていてこの絵も描かれたのだそうです。こちらのお店のファンのようでよく来られているようでした。お店の方が同じシールがあるからと記念にくださいました。うどんがおいしかったです。

 雨が降ったり止んだりしていたのですが、とうとう本格的に降ってきました。途中にあったスーパーで雨宿りをさせていただいたのですが、なかなか止みません。お店で少し買い物をして、雨脚が弱くなったときに出発しました。到着です。着いて、しばらくするとものすごい豪雨になりました。違う場所に移動しようにも滝のような雨です。

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本堂からの眺めです。写真ではわかりにくいですが、すごい雨です。空を眺めると、大きな龍が移動していくなあというような感じがしました。

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大師堂です。一瞬の隙を見てつながっている通路を駆け抜けてお参りしました。この時、こちらのお寺でお接待をされている方に声をかけていただきました。お経をあげた後にそちらに行こうとするのですが、雨がすごくて、また弱くなった隙に山門までたどり着きました。飲み物のお接待をいただいて、その方は南三陸町のボランティアもされていて、震災で被害を受けた方の手作りのポーチをいただきました。都市と違って、復興の支援が後回しになりがちなのだそうです。このようなつながりがあるのだと知り、すごいことだと思いました。

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17番 井戸寺の由来になった井戸です。覗き込んで自分の顔が映ったら寿命が3年延びるそうです。豪雨の中、怖かったけど覗いてみたら、やっぱり暗くて何も見えませんでした。納経所まで、また走ります。お寺の方はまだ若いお坊さんのようで、おもしろい言葉を書いたTシャツを着ていたような。そういうのが売っていたらほしかったかもしれません。学生さんのお遍路さんらしき人達も雨宿りしていました。

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山門です。雨が上がってきたので出発です。

ここからはしばらくわき道を通って、後は車道沿いに徳島駅まで向かいます。ときどき温度表示される電光表示板があるのですが、雨のおかげで25度にまで気温が下がり、とても歩きやすかったです。なかなかの距離があったのですが、一度食べてみたかったラーメン屋さんの前を通り、寄ることができました。壁には色紙がいっぱいでした。

 カメラの充電がぎりぎりになってしまい、写真を取り損ねてしまったのですが、夕方、太陽のそばに彩雲でしょうか、虹のかけらのような宝石のような輝きを見ました。とてもきれいでした。